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2019.08.16

本のソムリエが選ぶ、品格を育てる「物語の本」<前編>

スマホやタブレットで知りたい情報がすぐ手に入ってしまう今、実は本のよさがひそかに見直されています。その本を読んだら、読む前の自分には戻れない…そんな読書体験をしてみませんか?

「読書には2種類あります。“情報の読書”と“物語の読書”。情報の読書とはビジネス本やハウツー本など、今すぐ役立つ知識や情報を得る読書。物語の読書とは、読む前と後では目の前の景色が違って見えるような、心の深い部分に響く読書。〝物語の本〟はジャンルを問いません。読んだ後、その人の人生に物語が始まるから“物語の読書”と名付けました」

そう語るのは、東京都江戸川区の住宅街で書店を営む本のソムリエ・清水克衛(かつよし)さん。店に訪れるお客さん一人ひとりと話しながら、その人に合った「物語の本」を紹介しています。今回は清水さんに、心美しくあること、「品格」をキーワードに、さまざまなジャンルから「物語の本」を選んでもらいました。

『さかさ町』(F.エマーソン・アンドリュース/著)

兄弟が、ひょんなことから何もかもが逆さの「さかさ町」で1日を過ごすファンタジー小説。屋根が下で床が上。働くのは子どもで大人は遊ぶ。店で買い物をすると、品物と一緒に代金もくれる。冗談みたいな話だが、さかさ町ではそれで社会がうまく回っている。しかも幸せに。なぜ?
 

「児童書ですが大人に人気。日常に埋没すると、疑問を持てなくなってしまいます。ならば、すべてを逆さにしてみてみようという本。今の世の中は、1円も損したくないという空気が社会全体を覆っていますが、それは幸せなことなの?と考えるようになります。昔は日本にも『つりはいらないよ』という文化がありました。あれは働いている人の痛みがわかるから出てくる言葉。〝損したくない〟とは違うところに価値観を置いたら、物事は幸せな形で巡り始めるかもしれません」(清水さん)。

『国境のない生き方 ~私をつくった本と旅~』(ヤマザキマリ/著)

古代ローマを舞台にした漫画『テルマエ・ロマエ』で注目された漫画家ヤマザキマリさんの痛快エッセイ。14歳でヨーロッパを1人旅し、数々の困難をくぐり抜けた彼女は、「自分の足で立つ」ことを知った。帰国後、日本での学校生活が動物園の檻の中にいるように思えて…。
 

「常識という枠を突き破るマリさんも、そんな娘を笑顔で送り出す母親も清々しい。動物園の檻の中にはゲームやテレビ、流行といった与えられた幸せしかないことに気付いてしまった彼女は、落とし穴も敵もたくさんいるジャングル(外国)で生きる幸せを求めて、17歳で再び旅立ちます。たくさん傷つきながら懸命に生きる彼女の拠り所は本。そして、哀しみを心に刻み続けてきたからこそ、マリさんの眼差しは深みを増し、物事の本質が見えるようになっていくのです」(清水さん)。

『葉っぱは見えるが根っこは見えない』(髙久多美男/著)

見えない根っこにどう気付き、いかに育てるかを考える1冊。起業して30数年、朝起きて「今日は嫌だな」と思ったことがないという著者。学歴もない、協調性も忍耐力も人並み以下だと言ってのける彼が、人生を謳歌し続けている所以(ゆえん)とは。
 

「人間は住んでいる住所以外に、目に見えない“心の住所”を持っていて、たとえ隣にいても心の住所が違ったら通じ合えない。人の出会いは偶然ではなく、心の住所が同じ者同士が出会うべくして出会っているというのです。心の住所とは、品格の高さ。品格を上げるには、悩むのではなく考えましょう。世の中の常識に乗っかるのではなく、それでいいのかと疑問を持って考える。つらい出来事の表面だけでなく側面の意味を考えていく。品格はそうやって育つのだと思います」(清水さん)。

気になる本はありましたか? ぜひ実際に手に取ってページを開いてみてください。読み終わったとき、読む前とは違う自分に出会えるかもしれません。ちなみに、いい本に出会うコツは、信頼している友達や先輩に「いい本、知らない?」と聞いてみること。教えてもらったら、自分の好みはさておき、まずは素直に読んでみることだそうです。

次回は、品格を育てる「物語の本」を4冊ご紹介します。お楽しみに。



<掲載書籍>

  • 『さかさ町』F.エマーソン・アンドリュース/著 1,400円(本体) 岩波書店
  • 『国境のない生き方 ~私をつくった本と旅~』ヤマザキマリ/著 740円(本体) 小学館新書
  • 『葉っぱは見えるが根っこは見えない』髙久多美男/著 1,600円(本体) フーガブックス

清水克衛

監修 清水克衛さん
書店「読書のすすめ」店主/NPO法人読書普及協会顧問

大学在学中『竜馬がゆく』を読んで商人を志す。大手コンビニエンスストアの店長を10年間務めた後、「本を薦める本屋になる」と一大決心、1995年に書店「読書のすすめ」を開業。自身が実際に読んで薦めたい本だけを置くというスタイルでファンを増やし、お客さんは全国から集まってくる。著書に『逆のものさし思考』『まず、人を喜ばせてみよう』など。


そうだ、キャンプいこう!

書店「読書のすすめ」

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