2019.02.22

目覚めるたび、キレイをアップデート! 眠りのプロが教える睡眠美容術<後編>

自らも睡眠の質を向上させ、肌・からだ・心のさまざまな不調を克服した経験をもつ睡眠美容のエキスパート・友野なおさんが、正しく、ぐっすり眠ってきれいになれる「睡眠美容術」を徹底指南。後編では、“睡眠五感”を刺激して眠りの質を向上させる快眠テクニックをお伝えします。

感覚にアプローチして朝までぐっすり!「睡眠五感」を極めよう

睡眠美容を成功させる決め手は、“熟睡感”のある質の良い睡眠をとること。この熟睡感には私たちの感覚が深く関わっていて、これを「睡眠五感」と呼びます。視覚・嗅覚・聴覚・温熱感覚・触覚の5つの感覚にアプローチすることで、朝までぐっすり熟睡できる理想的な睡眠を得ることができるのです。ここでは、5つの感覚別に、今日から実践できる快眠テクニックをお伝えします。
 

❶視覚…睡眠五感のなかでも、特に友野さんが重要だと力説するのが「視覚」。

就寝1時間前には、スマホやパソコンから離れるよう意識しましょう。

「私たちのからだには、太陽が出ている明るい時間に活動し、暗くなると眠くなるというメカニズムが組み込まれているので、夜中まで明るい光を浴びていると、美容に関わる睡眠ホルモンのメラトニンが昼間だと勘違いして分泌をセーブするように働いてしまいます。スマホなどのディスプレイ画面から発せられるブルーライトやコンビニの照明は覚醒作用が強力なので、夜間は特に注意が必要。就寝1時間前には、スマホやパソコンから離れ、部屋の照明は暖色系の暗めの照明に切り替えるなど、光のメリハリをつけるよう意識しましょう。真っ暗が怖い人や安全面で不安があるのなら、フットライトなどを使って、目線より低い位置に光源をセット。視覚的影響を最小限にできますし、お部屋もおしゃれな雰囲気になりますよ」(友野なおさん)


そして見過ごしがちなのが寝室のカラー。寝具やカーテンなどの色にもこだわることで、より睡眠の質がアップ!

優しいパステルカラーがおすすめです。

「優しいパステルカラーがおすすめです。からだは疲れて休みたいのに脳はパソコン作業などで興奮状態のまま、というときは薄いグリーンで心身をリラックス。イライラしがちなときには淡いピンク、ホテルのような清潔感のあるお部屋にしたいならベージュやアイボリーを。白は疲れを取りにくくするので寝室では避けたほうがベターです」(友野さん)


❷嗅覚…
「嗅覚」は、脳とダイレクトに結びついている五感のひとつ。香りを上手に活用することで、心地よく上質な睡眠を得ることができます。

本格的なアロマテラピーはちょっと面倒…という人は、“お手軽アロマ”がおすすめ。
自分が“心地良い”と思える香りを選ぶのがポイントです。

「本格的なアロマテラピーはちょっと面倒…という人には、寝具に使う柔軟剤やお風呂上がりにつけるボディクリーム、枕にシュッと吹きかけるだけのピローミストなど、“お手軽アロマ”がおすすめ。香りの効果は十分実感できるので、身近なものから始めてぜひ習慣にしましょう。お湯を入れたマグカップに、アロマオイルを1〜2滴垂らしたものを枕元に置いておくだけでもOK。心地良い香りがお部屋いっぱいに広がりますよ」(友野さん)
 
睡眠に適したアロマを選ぶことも大切なポイント。
「ラベンダーやカモミールなどは、眠りを促す代表的なアロマ。心地良く深い眠りにつきたいときに効果的です。強い香りが苦手な人には、日本人になじみの深いヒノキの香りもおすすめ。自分が“心地良い”と思える香りを選ぶのがポイントです」(友野さん)


❸聴覚…
音は、45dB(デシベル)を超えると脳が覚醒すると言われています。これは壁のスイッチをオンにした時のパチッという音とほぼ同じ!

就寝時は図書館並みの静けさを保つことが重要です。

「スイッチを押す程度の音でも睡眠の妨げになってしまうくらいなので、就寝時は図書館並みの静けさを保つことが重要です。音がないと眠れないという人は、クラシックやヒーリング音楽、あるいは川のせせらぎや鳥のさえずりなど、自然界の音を流しましょう。ただし、寝ていても五感は反応してしまい睡眠の妨げになるので、1時間ほどでオフになるようセッティングを」(友野さん)


❹触覚…
快眠を得るために重要なのは、リラックス感。だからこそ、眠る時に肌に直接触れる布団や枕、パジャマの肌ざわりを追求することも大切なポイントです。

自分が“気持ち良い”と思える素材を選びましょう。
心身をリラックスさせ、その後の深い良い眠りにつながります。

「“気持ち良い”と思える素材を選ぶことは、心身をリラックスさせ、その後の深い良い眠りにつながります。シルクは美容に良い素材ではありますが、パイル素材が気持ち良いと思うのならそれを選ぶのがベスト。自分の感覚を大切にしましょう。また、心地良いという感覚は季節や気分によっても変わるので、全身に直接触れるパジャマは特に、いくつか素材違いのものを用意しておくのがおすすめです」(友野さん)


❺温熱感覚…
冷えをストレスと感じ、満足に眠れていない人は多いそう。寒さが厳しくなる季節は、寝室の湿度や温度、寝具の素材にいっそう配慮しましょう。

真冬は室温19〜22℃、湿度55%前後にキープすることが理想です。

「快眠につながる布団の中の温度や湿度は一年を通して変わりませんが、真冬は室温19〜22℃、湿度55%前後にキープするのが理想です。羽毛ぶとんは、上に毛布をかけ熱を外に逃がさないようにしましょう」(友野さん)

 
 

意外と知らない? 眠りにまつわるQ&A

「お風呂や夕食のタイミングは?」「枕を選ぶポイントは?」「お昼寝ってしていいの?」眠りにまつわる素朴なギモンに友野さんが回答。モヤモヤをすっきりさせて、朝までぐっすりの良質な眠りを手に入れましょう。
 


Q. 枕を選ぶポイントは?
A. 仰向け時も寝返り時も首をしっかりサポートできるもの

首に隙間ができない高さのものを選ぶことが大切です。

「枕は頭を支えるものではなく首を支えるもの。首に隙間ができない高さのものを選ぶことが大切です。また、仰向け時と寝返り時とでは首にできる隙間に高低差があるので、どちらの姿勢でも首をしっかりサポートできるものを選びましょう」


Q. お風呂は何時間前に入るべき?
A. 就寝1時間〜1時間半前までに済ませましょう

入浴には、「温度」「時間」「全身浴」、3つのルールがあります。

「入浴は快眠に直結する良い習慣ですが、入り方には3つのルールがあります。
① 温度。熱いお湯に浸かると、激しい運動をした時と同じぐらい血圧があがり体温が上昇します。体温が高いままではスムーズに入眠できないので、就寝1時間〜1時間半前までに38〜40℃のぬるめのお湯につかりましょう。高めの温度で入浴したい場合は、就寝2時間以上前までに済ませましょう。
② 入浴時間。長すぎても短すぎても睡眠の質に影響するので、20分間程度を目安に。
③ 全身浴。首をしっかり温めること、そして浮力効果で心身をリラックスさせることが重要です。忙しくてもできるだけシャワーで済ませず湯船につかるほうがベターです」


Q. 睡眠の質を下げる食事って?
A. 消化の悪い揚げ物やインスタントフードは控えて

夕食は就寝の3時間前までに済ませましょう。

「夕食は就寝の3時間前までに済ませましょう。遅い時間に揚げ物や菓子パン、インスタントラーメンなど消化に悪いものを食べてしまうと、睡眠中も胃腸が働き続け内臓温度が上昇。睡眠の質が低下します。残業などで遅くなるとわかっているときは、18時ごろに一旦おにぎりなどお腹に溜まるものを食べ、帰宅してからサラダやスープなどを食べる、というふうに夕食を分散すると、胃腸への負担が最小限になり睡眠の妨げになりません。睡眠の質を考えると夕食はヘルシーにするのが理想的ですが、空腹も睡眠の質を低下させるので夕食抜きもNGです」


Q. 夜に運動してもいい?
A. 21時以降の激しい運動はNG。ストレッチやゆったりヨガはGOOD!

日中は活動的に過ごしからだを疲労させることで、夜の入眠がスムーズになります。

「日中は活動的に過ごしからだを疲労させることで、夜の入眠がスムーズになります。筋トレやジョギングなどの激しい運動は眠りの質を低下させてしまうので21時以降は厳禁。遅い時間にからだを動かしたいなら、ストレッチやゆったりヨガ程度に。運動のゴールデンタイムは、1日のなかでもっとも体温が高く覚醒レベルが高い18時から19時前後です。トレーニングが難しい場合は、大幅でしっかり歩くなど、意識的にからだを動かすだけでもOK。そのあとの体温下降がスムーズになり、夜に眠るための睡眠モードに切り替わりやすくなります」


Q. お昼寝はしないほうがいい?
A. お昼寝はOK! ただしルールを守って

お昼寝をするなら15時までに20分程度にしましょう。

お昼寝をすると、脳の疲労が回復し午後のパフォーマンスがアップします。また、認知症のリスクを下げると言われており、嬉しいメリットも。ただし、たっぷり眠ってしまっては逆効果。夜の主睡眠に影響します。お昼寝をするなら15時までに20分程度。そして、あくまで仮眠なので、寝すぎてしまわないよう横にならずに椅子に座った状態で眠るようにしましょう」


19時以降はスマホに触れる時間を減らすなど、少し意識をすれば手軽に取り入れられるので、ルーティン化するのはそう難しいことではないはず。目指すは、目覚めるたびエステ帰りの極上美肌。そんな理想的な美しさに近づくためにも、今こそ睡眠美容を極めましょう!
 

イラスト:オガワユミエ

友野なお

監修 友野なおさん
睡眠コンサルタント/株式会社SEA Trinity代表取締役/産業心理カウンセラー

日本睡眠学会正会員、日本睡眠環境学会に所属。順天堂大学大学院 スポーツ健康科学研究科にて睡眠を研究し、修士号を取得。自身が睡眠を改善したことにより、15kg以上のダイエット、さらに体質改善に成功した経験から科学的に睡眠を学ぶ。行動療法からの睡眠改善を得意とし、眠りのプロとして全国で講演活動、健康・美容市場における企業の商品開発やプロモーションのコンサルテーションなどを行う。著書に『やすみかたの教科書』(主婦の友社)、『毎朝、目覚めるのが楽しみになる 大人のための睡眠パーフェクトブック』(大和書房)、『昼間のパフォーマンスを最大にする 正しい眠りかた』(WAVE出版)などがある。

公式サイト「SLEEP CULTURE」
http://tomononao.com/


書籍

「ぐっすり眠れる不思議な塗り絵」(西東社)
塗っているうちに眠くなるモチーフ(雄大な自然、寝ている動物、うずまきなど)や、眠くなるしかけ(上から下に目線が流れるようにすると瞼が落ちるなど)の絵柄を全32パターン収録。

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